ヘルプマークを知っていますか。
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。
東京都福祉保健局 - ヘルプマーク
対象者は、目に見えない障害や病気などを持っていて援助や配慮の必要な方。
障害の種類、程度によって「何に困っているのか」「どんなふうに助けてほしいのか」はさまざまです。
ヘルプマークがどういったものなのか。
それを知っている・理解していることが、手を差し伸べることへの第一歩になりますね。
生まれつきの心臓病(先天性心疾患)である三女。
ヘルプマークの対象者です。
今回はモデルケースとして、私たちが暮らしている北海道札幌市での「ヘルプマーク・ヘルプカード」の受け取り方と内容をまとめました。
ヘルプマーク・ヘルプカード
ヘルプマークは2012年10月、東京都の都営地下鉄大江戸線で開始されました。
東京都福祉保健局のホームページには、ヘルプマークの作成・活用ガイドラインの詳細が記載されていますよ。
著作権は東京都です。
ヘルプマークは全国共通なんですよ。
>>>全国のヘルプマーク導入情報 | 全国ヘルプマーク普及ネットワークSDGs・一般社団法人ユニバーサルヘルプカード協会
札幌市では、2017年10月18日から配布がスタートしました。
>>>ヘルプマーク・ヘルプカード/札幌市
配布場所・入手方法
2021年9月10日時点での情報です。
- 各地下鉄駅事務室
- 札幌市役所(障がい福祉課)
- 各区役所(保健福祉課)
- 各区保健センター(健康・子ども課)
- 身体障害者福祉センター
- 知的障害者更生相談所(手をつなぐ相談センターまあち)
- 精神保健福祉センター(札幌こころのセンター)
- 児童相談所
- 市内の一部保険薬局(※取扱いの有無については直接保険薬局へご確認ください)
私は区役所での受け取りを選びました。
入口から入ってすぐのところにポスター、保健福祉課の窓口には「ヘルプマークはこちらで受け取れます」という案内が貼ってあるのでわかりやすいです。
受け取りに申請書や手帳はいらない
窓口では、申請書の記載や障害者手帳などの提示はありません。
受け取りが簡単なのは助かります。
身につけられるのは対象者本人です。
郵送での配布はしていない
配布開始当初、転売のニュースを耳にしました。
ヘルプマークは郵送で受け取ることができないので、それを悪用した形になるでしょうか。
足を運ぶことが困難な場合に、別の受け取り方法があると助かりますね。
実際に受け取ったもの
- ヘルプマーク(小さいシール付き)
- ヘルプカード
- ヘルプマーク周知リーフレット
- ヘルプマーク・ヘルプカードの説明と記載方法のパンフレット
小さいシールには伝えたい情報などを記載して、ヘルプマークの片面に貼りつけて使うことができます。
ヘルプカードとは
緊急連絡先や必要な支援内容などが記載でき、障がいのある方などが普段から身に着けておくことで、日常場面で困ったとき、緊急時、災害時などに、周囲の援助や配慮をお願いしやすくするカードです。
ヘルプマーク・ヘルプカード/札幌市
札幌市のサイトでは「財布などに入れられる」との記載があります。
個人情報を隠しつつ、見てわかる形で持ち歩いた方がいざという時にはわかりやすいです。
記載内容
- 名前
- 血液型
- 生年月日
- 住所
- 緊急連絡先(名前・本人との続柄・電話番号)
- 障がいの種類など(障がい名・病名・症状)
- かかりつけの病院(病院名・先生・電話番号)
- お願いしたいこと
- 自由記載(お伝えしたいことなど)
リーフレットの内容はこちらからご確認いただけますよ。
実際にバッグに取り付けてみた
縦19cm、横5.3cm(ストラップ部分含む)となかなかの大きさです。
普段使っているリュックに取り付けたところ、しっかりと目立つことが確認できました。
ヘルプマークの所持について
三女は、大人とともに行動する年齢です。
母親から離れている間は、事情を知っている大人(幼稚園教諭やデイサービスの職員)が一緒にいます。
- 現状ヘルプマークを持つ必要があるのか
- あえて「私の子どもは障害を持っています」と知らせる必要があるのか
受け取るにあたり上記2点について考えました。
その理由のひとつに、主治医から言われていたことがあります。
- 心臓が悪いことを理由にまわりとの間に壁や距離を作らない
- 普通の子と同じように育てないといけない
経過が順調な子には「できることは制限しないで何でもやらせてください」という指導がされます。
ヘルプマークがそのバリアになるとしたら、所持することはデメリットです。
きょうだい児の存在があります。
妹の障害を知られることで、お友達の態度が変わってしまうことへの不安がありました。
それに関しては「話しなさい」とも「話さない方がいい」とも言っていません。
ただ、私が所持していることがきっかけで知られてしまう可能性はあります。
学校へと出入りする際には外すことにしました。
最終的に所持することを決めたのは、以下の3点です。
- 普及や認知度の向上をめざしてできることはしたい
- 一緒にいる大人が災害や事故に巻き込まれる可能性がある
- いざという時にパニックになる可能性がある
「どこかで見たことがある」の、”どこか”を増やすお手伝いがしたいです。
最後にまとめ
ヘルプマークの裏面に書いた内容
心臓病児の親御さんからのアドバイスをいただいて、ワーファリンの副作用について具体的に書くことにしました。
血液をサラサラにする薬を服用しているので、出血の際には圧迫止血が必要です。
現在はこの程度ですが、成長とともに心臓への負担も大きくなります。
今後の症状にあわせて追記が必要になるでしょう。
私がしている圧迫止血(直接圧迫止血法)
- 小さいガーゼを折りたたんで傷口にあてる
- 上から細長く畳んだ大きいガーゼや包帯で強めに縛る
(もしくは直接手で押さえる) - 5分程度圧迫を続ける
出欠の程度にもよりますが、膝をすりむいた程度(傷口が1.5cm×1.5cm内)ならこれで落ち着きます。
これからは全国47都道府県のどこへ行っても、子どもからお年寄りまで誰もが知っていて、当たり前のように支援を受けられる。
そんな優しい社会になっていることを願います。
お住いの自治体では導入されているでしょうか?
ヘルプマーク、ぜひ知ってくださいね。