はっちゃき娘ズplus☆

心臓病とともに生きる三女、きょうだい児になった姉ちゃんズ

【scene】怖い。

心臓病に関してはコチラもどうぞ(^_^)

震度5、初めて経験する揺れ。

大人の私でさえ底知れぬ不安を感じてしまうそれを、子供が無視できるはずもなく。

何も知らずに笑っていられるモモならばともかく、理解できてしまうゆず姉にとってそれは「命を脅かすもの」に他ならなかった。

 

停電は39時間半続いた。

 

日暮れが早くなってくる時期、いつもより少し早めの晩ごはん。

懐中電灯や非常灯などの「明かりになるもの」をリビングに集めて過ごす。

普段のようにスマホやゲームに興じることはできないので、トランプをしたり、会話を楽しんだり。

けれど、それも終わりの時間を迎える。

 

明かりを絞って、眠りにつく。

「眠っている間にまたあの揺れが襲ってきたら?」と恐怖に支配されたまま、いつものように布団に入るのは大人にさえ難しい。

案の定、震えながら泣き出してしまったゆず姉。

 

泣いて、泣いて、泣いて。

私はただ抱きしめて、背を撫でて、「そうだよね」と聞いてあげることしかできない。

 

しばらく「怖い」を繰り返したのち、それは段々とカタチを変えてゆず姉の口から吐露されていくようになった。

命が喪われる、家族が奪われる恐怖・・・親が子供を遺して、子供が親より先に、災害は思いがけない形で命をさらっていく。

段々と「モモが生まれてきた時のこと」に流れていき、ゆず姉の中に眠っていた3年前の恐怖が引きずり出された時には、涙が止まらなくなっていた。

 

「モモが死んじゃうかもしれないって思ったら、つらくて、怖くて。もし今モモが死んじゃったら学校に行けなくなる気がする」

 

泣いている姿を見ながら、毎晩泣いていたあの頃を思い出した。

そして「この子はこうやって泣く子だったのに」と・・・いろいろなことを背負わせて、心の奥に深く深く沈めさせてしまっていたのではないかと。

今更かもしれないが、猛省した。

 

つられてハナも泣いていた。

幸いモモも元気でいてくれて、普段は思い出すことなどないのかもしれない。

けれどもう一生消えることのない傷を、あの時に背負わせてしまったことは間違いない。

きょうだい児の抱える心の傷。

 

子供は親を選んで生まれてくるのだろうか。

選んでくるとしたら、その基準はどんなものだろうか?という話もした。

なぜ障害を持って生まれてくる必要があったのか。

子供たちはそれぞれに話を聞かせてくれたけど、2人が口をそろえたことが1つ。

「お母ちゃんを選んできて大正解だった」と。

 

ゆず姉は、今とても難しい時期だ。

 

学校で仲間外れにされていても憶することなく登校はしているが、恐らく塾はやめることになるだろう。

居心地の悪さがついて回る場に、無理をして通う必要はない。

ゆず姉が納得できるところに届くのなら、どんな手段を選んでもいい。

今のやり方にこだわる必要なんてまったくなく、今の目標がすべてでもないことは散々言い聞かせてきた。

 

それでも、本当にこれでいいのか?と悩みは尽きない。

親の役割は過保護に守るでも、攻撃をするでもなく、子供を信じてジッと堪えて見守ること。

笑顔を守ること。

ゆず姉のためにと考える最善が、自分にとっての最善にすり替わらないように細心の注意を払う。

私の安心のためにゆず姉を使うことがあってはならない。

 

私は、子供たちの「ここにいれば大丈夫」という砦でありたい。

それができるだろうか。